ベジタリアンで生活したい方、ベジタリアンに食事を提供したい方にとってのヒントとなるテーマを
ココとマノンという二人の人物の対話形式をかりて話題にしていきます。
菜食生活を送りたいと考える方々のための、一助となれば幸いです。

ココとマノンのベジもんどう




どうする? ベジタリアンのカレー



ココ:最近カレー屋さんに行くと,「野菜カレー」とか「ベジカレー」とか、野菜メインのカレー多くなってるよね。


マノン:本当にね。カレーメニューの看板メニューに、「野菜カレー」の写真が大きく出ていたりするのが普通になってきた。


ココ:うん。カレー屋さんの「野菜カレー」って、ベジタリアンが注文しても食べられるのかな?


マノン:そこが実はむずかしいところなのよね。この間、ある観光地の駅で、ベジタリアンが利用できる飲食店を案内してくれたんだけど、案内所のスタッフの方から「野菜カレー」だったら食べられますよね?って聞かれたの。ベジタリアンは、野菜が入ったメニューだったら食べられるだろうって考えてくれたんだと思う。でも、もしカレーのルーにチキンやポークのだしが入っていたとしたら、ベジタリアンは食べられないのよね。


ココ:あ、そうか。具には肉が見えなくても、鶏ガラとかを煮込んで作ってるカレーって多いよね。ルーに動物性のだしが入ってたら、具がどんなに野菜たっぷりでも、ベジタリアンは食べられないってわけか。


マノン:そうなの。具材に肉や魚が見えないからといって、ベジタリアンが食べられるカレーだと判断はできないってことね。


ココ:なるほど。材料に何を使ってるかがポイントだってことだね。でもだいたいふつうのカレーって、動物や魚介の材料使うよね。まず油でお肉炒めるでしょ、スープにも鶏や豚のエキスが入ってるし、市販のルーにも動物性の脂やエキスがたいてい入ってるよね。ベジタリアンのカレーを作るとしたら、どうやって作ったらいいのかな?


マノン:ベジタリアンのカレーはね、そんなにむずかしく考えなくても大丈夫。とにかくお肉や魚介や卵を入れないこと、それから動物性のだしを使わないこと。具材は野菜を使えばいいし、野菜からもいいだしって出るのよ。


ココ:そうか。なんか肉や魚を使わないと、ちゃんとした料理ってできないっていうイメージがあったけど、入れなくてもいいんだね。


マノン:そうなの。たんぱく質なら、豆とか大豆ミートとか車麩とか、植物性でカレーにぴったりの具材もたくさんある。あと玉ねぎとか、にんにく、お酒類、乳製品なんかも入れなければ、だいたいのベジタリアンが食べられるカレーができるのよ。スープやルーにも、こういう材料を使っていないものを選べばOK。


ココ:玉ねぎとかにんにくって、だいたいのカレーに入ってるよね。動物性のものをいっさい食べないビーガンが増えてるから、野菜だけで作ったカレーって話題になることが多くなってきたけど、ビーガンカレーだと、玉ねぎやにんにくは入ってることが多いってわけだ。


マノン:アジアのベジタリアンのルーツをたどると、もともとベジタリアンは肉魚だけじゃなくて、ネギ類とかにんにくも食べていなかったの。だから日本の精進料理でもネギとかにんにくを使わないのね。


ココ:なるほど、言われてみると、精進料理ってネギとかにんにく入ってないよね。


マノン:でしょ。アジアのベジタリアンは、ねぎやにんにくを食べない人が多いのね。特に台湾では、ふつうベジタリアンって言ったら肉、魚、卵のほかに、五葷(ごくん)っていって、ねぎ類、にんにく、にら、らっきょうと、あと酒類が入っていないものをいうの。


ココ:五葷!最近聞くようになったよね。にらとか、らっきょうも食べないんだ。じゃあカレーの付け合わせのらっきょうも、気をつけないといけないってことか。でも肉も魚も玉ねぎもにんにくも使わないカレーなんて、味が物足りなくならない?


マノン:ベジタリアンは、あっさりした味覚の人も多いの。だから、肉魚や五葷を入れなくても、ベジタリアンにとってはおいしいカレーになるっていう場合もある。でも、ちょっとしたコツで、すごくコクがあっておいしいベジタリアンカレーを作ることもできるのよ。


ココ:へえ。そうなんだ。コツがあるんだね。じゃあベジタリアンカレーでもグルメが満足できる味は出せるってことだ。とにかくベジタリアンのカレーでまず考えないといけないのは、NG食材を入れないってことだね。


マノン:そういうこと。ベジタリアンの中には、魚や動物のだしが入ったものはちょっとでも食べられないっていう人はけっこういるのよ。だから、ベジタリアンの料理でいちばん重要なのは、味のよしあしの前に、まずNG食材が入ってないっていうことなの。


ココ:なるほど。料理人がおいしいと思う料理を提供したとしても、食べられなかったら元も子もないよね。


マノン:私の知っているドイツ人のベジタリアンが言ってた。日本で外食しようと思っても、魚のだしやチキンブイヨンが入ってるから、いつも身体の調子がわるくなるって。だからいつも、だましだましやり過ごして旅を終えるんだって。


ココ:ドイツ人にとってみたら、地球の裏側まではるばる海外旅行に来て、その旅先で具合がわるくなるなんて、最悪。せっかくの旅も台無しだね。それはかわいそうだ。


マノン:こんなふうに、日本に来て食事で具合がわるくなる海外からのお客様ってけっこう多いのよ。もちろん日本人も同じなんだけどね。


ココ:そうなんだ。具合がわるくなるって、どうなっちゃうの?


マノン:人によるんだけど、寒気がしたり、吐き気がしたりとか。熱を出したり、お腹がいたくなる人も多いみたい。


ココ:ベジタリアンにとっては、味のよしあしのまえに、NG食材が入っていないかどうかがまずは大事ってことだね。


マノン:まず材料にNG食材を使わないこと。その上で、納得のいくベジタリアンカレーを作ればいい。NG食材なしでも、コクがあっておいしいベジタリアンカレーを作るコツはあるの。そして時間がない時は、手軽に作る方法もある。ぜひ自分に合ったベジタリアンカレーを見つけてほしいな。いろんなタイプのベジタリアンがいるから、人によって何を食べるか食べないかは違うんだけど、ベジタリアンのNG食材をまとめてみたから、よかったら参考にしてみて。



◆ベジタリアンのNG食材

以下の三つの食材を入れなければ、かなり多くのベジタリアンが食べられます。

1、 動物性のもの(肉、魚、卵など  ビーガンは乳製品、はちみつなども避けます)

2、 五葷(ごくん:ねぎ類<玉ねぎ、長ねぎ、アサツキなど>、にんにく、にら、らっきょう)

3、 アルコール


詳しくはこちらのページにまとめてあります。ご参照ください。

《 ベジネット ジャパン - ベジのための食品選択 - 》

https://vegnet-jp.themedia.jp/pages/3160511/page_201908281002



◆ベジタリアンのカレー NG食材

◇ベジタリアンのカレーで使用を避けたい食材

<具材>

肉、魚介、ハム、ソーセージ、卵、玉ねぎ、にんにくなど

<ルーや調味料など>

原材料に下記の記載があれば要チェックです。

・ラード、動物性油脂、ゼラチンなどは動物由来です。

・ポーク○○、チキン○○、煮干し○○、カツオ○○、ほたて○○、あさり○○、卵○○などのように、動物や魚介の名前が書かれているもの

・にんにく(ガーリック)○○、玉ねぎ(オニオン)○○などの五葷(ごくん)

・料理酒、みりん、ワインなどの酒類


◇ベジタリアンのカレーで注意が必要な食材

・下記の原材料はNG食材が入っている可能性がありますのでメーカーなどに確認が必要です。

食用油脂/たん白加水分解物/乳化剤/香辛料(にんにくなどが入っている可能性)/アミノ酸等/香料/○○ソース/○○ブイヨン/カレー粉/野菜○○

・乳○○などと書かれているものや乳製品は、乳をとらないベジタリアンは食べられません。チーズ○○などチーズに関しては、固め剤であるレンネットが動物性の可能性があります(子牛の内臓の酵素などが原料になっています)。レンネットが動物性でなければ、乳製品を食べるベジタリアンは食べられます。

・動物由来のものをいっさい食べないベジタリアン(ビーガン)は、はちみつやビーポーレン(蜂が集めた花粉の固まり)なども避けます。

・砂糖の濾過に骨炭を使っているものがあり、濾過後の砂糖に骨の成分は残っていませんが白砂糖を避けるベジタリアンもいます。



ベジネット ジャパン   ー和菜文藝院ー        Vegetarian Cultural Network, Japan