菜食と環境  畜産は地球温暖化を促す大きな要因 

国連食糧農業機関(FAO)が2006年11月29日に発表した報告書には
畜産が環境に及ぼす現状について、かなり詳しいデータが示されています。


人間が地上で活動することによって
排出される主な温室効果ガスは、
二酸化炭素、メタン、亜酸化化窒素、フロンガスなどがあります。
このうち、二酸化炭素は約9%が畜産によるものですが
二酸化炭素の約300倍の温室効果がある
有毒な亜酸化窒素(吸入すると陶酔効果がある、
いわゆる笑気ガスといわれるものです)は
65%が家畜の排せつ物から排出されるものです。
そして、「牛のげっぷ」でおなじみとなった
メタンガスですが、
こちらは、地球温暖化係数(GWP)は
二酸化炭素の23倍で、
人類が排出するメタンガスの
約37%は、畜産が由来となっています。
つまり、地上から排出されるメタンガスの
3分の1以上は、畜産からくるものなのです。
温室効果ガスの放出を減らすために
エコカーやエコドライブが推奨されますが、
排出される二酸化炭素の量をみると
畜産による二酸化炭素排出量は
輸送に関わる二酸化炭素排出量より
18%も多いのです。


さらに、地上の二酸化炭素は
植物が豊富にあれば吸収されるのですが、
家畜を飼うための牧草地を確保するために
地球上の森林は伐採されて、大幅に減少しています。
地球全体の陸地面積の約30%は、
放牧地や、家畜の飼料を栽培するための耕地など、
畜産のために使われている土地です。
しかも、さらに新しい放牧地をつくるために
森林伐採も進んでいて
ラテンアメリカでは、すでにアマゾンの森林の
約70%が放牧地となりました。
こうして、はっきりと数字でみると
現在、地球上では畜産のために、
どれほど多くの土地と、どれほど多くの資源を
投じているかがわかります。
つまりそれは、


ベジネットジャパン 和菜文藝院

CONTENTS ◆菜食という考え方について ◆ベジタリアン生活のさまざまな「?」へのヒント ◆ベジタリアンにメニューを提供する方のヒントになるノウハウや情報 ◆日本の菜食文化の価値と伝統に光をあて未来に継承する